あなたはケイサツカン様☆
那由菜ちゃんを騒がしい教室から屋上に連れ出す。
きっとここなら遠慮なく話せる気がしたから。
生ぬるい風が頬を撫でていく。
お互い沈黙になってどれくらい経ったんだろう。
「聞いたよ。タイチったら余計なことばっかり喋ってさ。最低な男だと思わない?」
フッと呆れ笑いをしながら体の向きを変えてフェンスに手をかける。
「那由菜ちゃん、あたしは」
そこまで口にすると
那由菜ちゃんは観念したようにため息をついて
話を始めた。
「アイツは..ううん、あいつ等警察はあたしにとって..あたし達家族にとっては
敵なの」
「敵!?」
「そう、敵。だから絶対に許す事は出来ないし、あんな奴らを好きになる優芽ちゃんは
大嫌い」
「どうして..そこまで敵対心を持つの?」
「優芽ちゃんは騙されてるよ、あいつに。あいつはただの偽善者で。..最低なんだから」