蝉時雨





「‥‥昨日、うち来たって?」


「あ、うん。
でも京介いなくて‥‥」




涼ちゃんから何か聞いたんだろうか。

床に置かれたコップの水滴が
小さく水溜まりを作っている。




まずは京介に話すことが
たくさんあるのに


涼ちゃんとのことを思い出して
気分が沈む。






「兄貴と何かあったんだろ」


そんな私のことなんて
お見通しのように京介が言った。




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