蝉時雨
京介の言葉に泣きそうになる。
気づかないようにしてた現実
全部、全部当たってる
京介の言う通りだ
でも
それでも変わらない気持ちは
菜々子の気持ちはどうすればいいの?
泣きそうになるのを
堪えて下唇を噛む私を横目で見ると
京介は呆れたようにため息をついた。
「まあ、お前のことだから
わかってても突っ走るんだろうけど」
「‥‥‥どういう意味よ」
「諦めるなんて選択肢ないんだろ?
それでいーんじゃねーの?」
いつもの調子でそう言いながら
少し薄まった麦茶を飲む。