愛し方を知らない少女の歪んだ愛
曝【醜悪】
今日は、いつも楽しみにしていた休日だ。
お兄ちゃんと戯れられる時間が十分にある日。

だけど今日は、そんな気分になんてなれるわけない。

わたしはソファでお菓子を摘みながら携帯をいじくっていた。
後ろではやはりお兄ちゃんも携帯と睨めっこ。

今日は、なにも考えたくなかった。
たまには何も考えずにぼうっと過ごす休日もいいんじゃないか。

なんていうのはただの言い訳。
いま考えてしまうことといえば、お兄ちゃんと有希のことしかない。
そして二人のことを考えると、また胸が苦しくなるに決まっている。

もうあんな思いをするのは嫌だった。

そんなとき、後ろで凄まじい音がした。
驚いたが別に自分とは関係ないとあまり気にしていなかったが、わたしにお兄ちゃんの視線が集中していることに気付いた。

恐る恐る振り向く。
するとそこには、ひどい顔をしたお兄ちゃんがいた。

「み、さ……」

お兄ちゃんは今にも泣きそうな顔をして、わたしの名前を呟く。
床にはお兄ちゃんの携帯が落ちていて、さっきの音はこれだったのかと関係ないことを考えた。
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