炭坑の子供たち（１）

裸の付き合い

近頃の子供は、修学旅行に行っても

海パンをはいて、温泉や大浴場に入るらしいが

それも、裸を見たり見せたりするのに、慣れていないからであろう。

一方当時の風呂場は、同級生の憩いの場であり

前を隠したりするどころか、湯船のふちに立って

テレビの人気ドラマ、「逃亡者」の主人公

「リチャード・キンブル」

と、言いながら、腰を揺すって、玉をブラブラさせて見せる。

それに対抗して、他の子が、尻を突き出して

テレビの人気西部劇「ライフルマン」ならぬ

「ヘーフルマン」

と、一発お見舞いすると

音が風呂場中に響き渡って、臭いがこもる。

すると、何処かのおやじが叫ぶ

「くっせえのう、誰や、イタチの最後っ屁のごたる屁をこいたんは」

爽やかな音のしたやつよりも、音のこもったスカベの方が、格段に臭い。


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