炭坑の子供たち(1)
 そんな風に、まだボールが見える分はいいが

草が生い茂る中に飛び込んで、所在が分からなくなると

試合を中断して、全員でボールを捜す事になる。

ボールが見つからないと、持ち主の子が泣くので

辺りが暗くなり始めても、みんなで捜していた。

そんな時には、大抵、他の組の連中も、同じ様にボールを捜している。

以前なら、たまたま他の組のボールを見つけても

いじわるをして、わざと草むらの深いとこに押し込んで、見えなくしていたが

ある日、もう夕闇も迫っていたので

「おおい、ここにあったぞ」

と、投げ渡してやると

よっぽど嬉しかったのか

「おおい、俺達も、みんなで捜してやろうや」

と、みんなで捜すのに付き合ってくれ

結局ボールを見つけたのは、そっちの組の子で

いつしか、一緒に野球をやる様にとなった。
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