炭坑の子供たち(1)
炭坑の風景

社宅

 炭坑の社宅は、平屋の四軒長屋

かまどの付いた炊事場と、四畳半と六畳の部屋があった。

裏には、板塀に囲まれた2坪程の空き地があり

そこは、各家が、思い思いに花を植えたり、畑にして野菜をこしらえたり

はた又、家族の多い家は、そこにゲイを出して、1部屋増やしたりしていた。

表の方にも、ちょっとした空き地があり

そこには、ほとんどの人が、仏さんにあげる花を植えていた。

玄関の軒下には、英彦山ガラガラと、小さな猿のお面がかかげてあり

入り口の戸は、ガタガタと引っかかって、開け閉めが困難で

ちょっと力を入れると、直ぐに外れて倒れかかって来た。

障子ときたら、子供達がイタズラをして、破れかぶれ

小さな子なんかは、障子に登ってガタガタとやるので

もう骨もボロボロであった。

板の横壁や塀は、小学生がチョークで書いた落書きだらけ

ひどい家は、板壁が破れて、中の様子がうかがえた。
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