つないだ手。

迷い

私達はファミレスで
待ち合わせをした。


お互い最近あったことを
なんとなく話す。


ヒロくんとの事も話した。


「だいぶ状況変わったんだね〜
仕事辞めたって、
店長大丈夫なの?
あの店結構やばいじゃん!?
追い込みかけられそう」

紗江が言う。

確かに今までなら
店を勝手に辞めた女の子は
大変な目にあっていた。

私も覚悟していたけど……


「それがさぁ…

メールは毎日くるけど
特になんもされないんだよね。

待ってるとか
言われてる。」

「ふ〜ん…

店長案外結菜に本気
だったとか?」

「それはないわ〜。」

「なんで?」

「あの人は私を
道具としか見てない。」

「道具ならただ
優しくしてたと思うなぁ…

結菜には怒ったりしてたし
ただの道具では
なかったんじゃない?」


確かに紗江が言うように
私はただの道具じゃ
なかったのかも。

とも思った。

だから毎日来るメールを
返しそうにもなった。

だけど…………

やっぱり返せなかった。

店長を信じるなんて
もう無理だったし

何よりヒロくんに
早く認められたかったし。

ヒロくんみたいに
風俗を嫌がってくれたら
店長のことも
もっと好きに
なれてたのになぁ…



「とにかく私は
店長はもういいんだっ。

それよりヒロくん。

紗江なんでヒロくん
なんか違うって思ったの?

ヒロくんかっこいいし
優しいじゃん」

「紗江ゴツイ人だめ。

しかも結婚とか
言ってんでしょ??

無理無理!重い!

結菜もヒロくんのために
変わるとか
どうした!?って感じ。」

紗江は笑いながら言った。
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