ボタン
ボタン

一つ






キュッ



マーカーの乾いた音が静かな教室に小さく鳴った




運動場からは体育の授業が終わる号令が聞こえる




「…できた」



『藤井 達也』



と刺繍されている制服を元の位置に戻す



廊下から、男子が帰ってくる声が聞こえた




「やばっ」



ガタンッ


少し大きな音を鳴らして何事もなかったように自分の席についた














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