【更新停止中】家政夫くんの攻略法



「ありがとう。手伝ってくれて」


ガチャンと支柱を片付けて、牧村くんにお礼を言う。



さて、着替えてお昼いこーっと。


Uターンして、体育倉庫入り口へ戻ろうとする。


しかし、その前を牧村くんが立ちはだかる。



「どうしたの?」



不思議に思い、彼を見上げる。


クラスの子たちが騒ぐのもわかるほど、間近で見た彼の顔は整っていた。

笑っているおかげで、タレ目が余計に強調される。



「俺、中村さんに興味あるんだよね」



照れ臭そうにも、悪びれもせずに、彼は率直に口にする。



「きょ、きょうみ...」


「そ」


またもや白い歯を見せ、少しずつわたしとの間を詰める。


バレーボール部で長身を生かす彼は、わたしに近づくにつれて迫力が増す。


そして笑顔を崩さないから、何を考えているのか全くわからない。


何か言おうと口を開くも、ぐ〜と間抜けな音が鳴るのが先だった。



「あ。お腹すいたよね。ごめん」



爽やかな笑顔が、わたしの空腹の恥ずかしさを増させる。


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