月下の踊り子
絶句。うまく言葉が出てこない。
今、舞歌は確かに脱走の計画に反対した。
自分が生き延びられるかもしれないのに、死にたくないはずなのに。
矛盾している。反対する理由が何処にある。
「どうして」
「羽鳥さんをそんな危険な目にあわせる訳にはいきません」
「私の事は考えなくて良い。頼むから今は自分の事だけを考えろ」
「羽鳥さん、私にだって譲れない意見くらいはあります」
「……どうしても、なのか?」
「はい」
舞歌は力強く頷いた。