月下の踊り子
急いで着替える。
サイズは全くあっていない。ズボンの裾を大きく三回くらい折って丁度良い長さ。
ベルトも最大まで引っ張って、ずり落ちないようにする。
「ぶかぶか、です」
腕は折り曲げる必要もないだろうと思ってそのまま。
帽子を深く被り、着替えが完了した。
「それじゃあ行くぞ」
「はい」
マスターキーで牢の扉を開ける。
素早く舞歌の手を取って、足音を立てないように踵を地面につけずに走った。
周囲に起きている人間はおらず、二人の歩みは滞りなく進んで行く。
このまま外に出られれば――。