月下の踊り子
シートにもたれ掛かる。
運転が終わり、一先ず脱走が成功した安堵からか突然、睡魔が襲い掛かってきた。
「舞歌、本当に悪いが、十分だけ寝かせてくれないか」
「え?はい。良いですよ」
「十分経って、叩き起こしに来てくれれば良いから。舞歌は外に出てて良いぞ」
「はい」
静かに目蓋を閉じる。
ほんの数十秒で眠りの世界に入った。
再び目蓋を開けた時、その時は舞歌が心行くまでこの自由を感じさせてあげよう。
舞歌は車に搭載されてる時計を眺める。外に出る気はないようだ。