『仰せのままに、お嬢様』《完》
「それは―――…」


もう、そんな話は今さらだ。


たしかに最初は執事なんて
ゴメンだって思ってた。

作法とか社交マナーの話も、
少しも面白くないし。


でも、気づけばいつの間にか、
あたしにとって楓さんの
いる日々は当たり前になってる。


楓さんがそばにいて色々
教えてくれたり、不安な
時には守ってくれる。

その存在が心強くて――
きっと今楓さんがいなく
なったら、あたしは寂しい
って思うだろう。


「そんな前のことは
もういいじゃない。

楓はあたしの執事で、
これからもあたしを守って
くれる。そうなんだよね?」


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