狼様の愛のカタチ理論





「だいたい、そんな天界について無知で扇李の花嫁が勤まるのかよ!だから、アイツがあの日からお前に会いに来ねぇんだ!もう扇李の匂いがしねぇよ。この部屋」



「……………っ」



クンクンとその場所で犬のように鼻を動かす



「………」


そう、右汰の言う通り


あの日、扇李が私を無理矢理抱いてから…彼は私の前に一度も姿を表してない


夜になるたびに、あの時の記憶や感覚を思いだして"また次も"突然きて、やるだけやって…


アッサリと帰ってしまうんじゃないかって不安で不安でたまらない日々



右汰も左汰も私が抱かれた事を知られてしまってから何の気遣いか、"夜は扇李が来たらまずい"と言い


太陽が落ちて、夕食がおわると次の日の朝まで絶対に来ない


けれど、わたしは扇李が部屋にくる気配もなくこの3日間を過ごしている




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