狼様の愛のカタチ理論




『我のことより、お前も早く花嫁を迎えなければいけないだろ』


『俺?って、話を誤魔化すなって…』


『いいんだ。で、あの女はどうなった?』



あの女とは以前、呉羽を尋ねた時に呉羽が一緒にいた女の子のことを言うのだろう


『あぁ、あれは切った。やっぱり俺にはあーゆうタイプはむかない』


『だろうな、なら、お互い様だ』



呉羽と一緒にいたのは、ものすごく派手な女


髪型から服装、化粧までなにもかも派手だった




あんなの、自由気ままの呉羽には合わない




『まぁ、今はこうして自由に花嫁を切ることは出来るけど、俺も扇李もそろそろ身を固めなくちゃだよね』


めんどくさい、そうボソリと呟く呉羽


『たたでさえ、王って立場だ、老役達も家臣もあせってるだろうし?』


『……』


『早く、子孫だって残さなくちゃいけない。いつまでもこのままは駄目だよな……?』




『…………あぁ』


呉羽に対して、そう扇李が頷いたきり、しばし二人の間に沈黙が流れる




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