狼様の愛のカタチ理論





な、なに?どうしたの、右汰…



「あの…」


「いる」

「いる?」

「敵だ。3匹…4匹…いや6…8匹…」


「…………」


は、8匹?


「お前、ちょっと俺の後ろに隠れてろ」


私の腕をひき、強引に背中に回らされ目の前には右汰の広い背中がみえる


なにが起きてるか、さっぱり分からない


8匹ってなに?敵ってなに?


右汰の背中越しに、彼と同じ方向をみるけど何も誰もいない


ううん、むしろ匹ってことは動物の姿になってる神様…?

なんで、その神様が敵になるの


「………右汰」



私でも分かるほどの殺気を撒き散らす右汰の服を怖さからか握ると、視線だけ私に向けてくる


「大丈夫だ。花嫁を守るのは俺の仕事だ。お前は黙ってそこにいろ」


「…右…汰」


初めて聞いた、右汰の頼もしい台詞に安心しかけた時だった―…






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