狼様の愛のカタチ理論





「おはようございます」


「はい、少し、元気になったみたいですね」



部屋に入るなり、私の顔をみてそんな事を言う


「えっ?」

「いえ、昨日より少しお顔が明るくなって笑っていますので」



…昨日?


「えっと、その…」

やっぱり、サイさんも知ってるんだ。そうだよね、扇李の御付きなんだもん


「ま、まぁ…」


軽く微笑むとサイさんは微笑みながら、歩きテーブルの上に箱をおいで触り始める



「昨夜、扇李と雑務の帰りに沙優様を見つけた時の表情は大変心配をしましたが、扇李が沙優様の近くにいき何やら話しをし出したので、少しハラハラしましたが、良い話しが出来たみたいですね」


「………」


そう言い、箱から白い包帯と何やら透明の液体が入ったビンを取り出す




え、あの時、雑務の帰りだったの?扇李はそんなこと言ってなかったよね?


むしろ、たまたま通り掛かったみたいな態度だったのに…



もう、不器用なんだから。でもそれに助けられたのは事実だから、感謝しなくちゃ




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