狼様の愛のカタチ理論

それなのに、扇李の花嫁でいなくちゃいけないのなら


「嫌いに…なろうかなっ」

「……」


出会った頃のように、大嫌いになれば…辛くないよね？

大嫌いだから、裏切られるのは当たり前って思えば、こんなに苦しくなんかない



そう言えば…いつの日か


嫌いって言った私に扇李が"嫌いって言うのは気に食わない"って言ったんだっけ


その時から、扇李と接することが多くなって

だんだんと扇李に惹かれていった…



「今は、無理でも…扇李のこと…嫌いになれるかな？」


私の言葉に狼さんは、何の反応もしてくれない


「狼さん？」

どうしたんだろう…


首を傾げながら狼さんをみると、再びザラッとした感触が頬をかすめる


「…え」


頬を触れば、いつの間にかまた涙がこぼれていた


私ってば、無意識に泣いてたんだ…



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