狼様の愛のカタチ理論




深々と頭をさげる彼女の姿に涙が浮かび…


「…院長様っ」

扇李から離れて、院長様に抱きつくとフワッと久しぶりに院長様の香りがする

お母さんのような、温かくて優しい香り


「…沙優」

「う…っ」

「貴女は、これから大変だと思う。王の妻は色々とかせられることが多いわ…でも、扇李がいるなら大丈夫よ」


「ぐすっ…」


「だから、幸せになって」

「っ」

「そして、落ち着いたらまた会いましょう。沙優に聞かせたい話は沢山あるの。沙優がいなかった40年間のはなし」


「…ぐすっ…」

「扇李の愚痴も聞くわ。もし飽きたら捨ててうちの花嫁になりなさい。大歓迎だから」


「院長…様っ」


「あとは、そうね…」


トントンと私の背中を院長様が優しくたたく












「我慢して…頑張り過ぎないこと」


「…っ」

「沙優は昔からそーゆうところがあるから」


「は…ぃっ」

「私からはそれだけよ」


「…院長様っ」


院長様…本当にわたしは貴女に出会えて良かったです


院長様から学んだことは沢山ある


言葉に出来ないくらいの愛を沢山もらった


私の二人目の母親なんだ…本当にありがとう


院長様には何度感謝してもしきれないよ


そんな私達は雪がふるなか、長い間抱き合っていた―――……





< 532 / 550 >

この作品をシェア

pagetop