狼様の愛のカタチ理論
深々と頭をさげる彼女の姿に涙が浮かび…
「…院長様っ」
扇李から離れて、院長様に抱きつくとフワッと久しぶりに院長様の香りがする
お母さんのような、温かくて優しい香り
「…沙優」
「う…っ」
「貴女は、これから大変だと思う。王の妻は色々とかせられることが多いわ…でも、扇李がいるなら大丈夫よ」
「ぐすっ…」
「だから、幸せになって」
「っ」
「そして、落ち着いたらまた会いましょう。沙優に聞かせたい話は沢山あるの。沙優がいなかった40年間のはなし」
「…ぐすっ…」
「扇李の愚痴も聞くわ。もし飽きたら捨ててうちの花嫁になりなさい。大歓迎だから」
「院長…様っ」
「あとは、そうね…」
トントンと私の背中を院長様が優しくたたく
「我慢して…頑張り過ぎないこと」
「…っ」
「沙優は昔からそーゆうところがあるから」
「は…ぃっ」
「私からはそれだけよ」
「…院長様っ」
院長様…本当にわたしは貴女に出会えて良かったです
院長様から学んだことは沢山ある
言葉に出来ないくらいの愛を沢山もらった
私の二人目の母親なんだ…本当にありがとう
院長様には何度感謝してもしきれないよ
そんな私達は雪がふるなか、長い間抱き合っていた―――……
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