それでも愛してる・・・

★2つの気持ち From誠也




「誠也、一緒に帰ろうぜ」

亮が帰る支度をしながら話しかけてきた。

「悪いな、放課後に呼び出しだよ」

「なにっ!?先輩から裏庭へ来いのメッセージか!?」

俺は吹き出した。

ベタ過ぎるだろ、それ。

「違う違う、愛美からだよ」

「裏庭?」

「違うって。屋上だよ屋上」

うーん、と亮は考え込む。

「あっ!飛び降りじさ…」

「縁起でもねーこと言うとぶん殴るぞ」

「は、はいっ」

亮は硬直する。

そんなに怖いかぁ?

俺は席を立ち、カバンを持ち上げた。

「佐奈とラブラブ下校しろよ」

「いやー…佐奈いなくなっちゃって」

「先に帰ったんじゃね?」

亮はまた考え込む。

考える人かよ全く。

「はぁ〜一人寂しく帰りますよ」

ちらっと教室から外を見ると…数人の女子がいる。

絶対に亮目当てだな。

俺はニヤつく。

「寂しくはないんじゃねぇ?」

「は?どーゆー…」

「また明日なー」

さっさとその場を立ち去る。

そりゃ俺だって男なんだし、女子に囲まれたいとは思うけどさ?

今はまず屋上だし、愛美にバレたらマズすぎる。

「ふぁぁ…」

あくびしながら階段を上っていく。

最後の授業は、俺の大っっ嫌いな英語。

いや、一応できるよ?

でもさぁ…俺は日本人だし、無茶なんだよ、無茶。

あー…かったりぃー。

ったく、愛美は何を考えてんだ…?

わざわざ屋上に呼び出して。

まさかマジで飛び降りじさ……。

だーっ!!

やめんか俺!!

縁起でもないっ!!!
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