それでも愛してる・・・

★過去の出会い From誠也




今日は久々の振り替え休日。

一応亮と遊ぶ的な約束をした。

「ねーねー」

全く、早く来いよな。

10分経ってるぞ。

「ねーったらー」

そして何なんだ、このさっきからうるせぇ女は。

「無視しないでよぉー」

俺の勝手だろーが。

俺はこういう女は嫌いだ。

やたらうるさくて男のことしか頭に入ってねぇ奴ばかりだから。

「ねーぇー」

女はついに俺の横に座りやがった。

「聞いてるー?」

うるせぇ、早くどっか行け。

無視し続ける俺。

亮、マジで遅い。

「おーい、誠也ー?」

女が俺を呼ぶ。

あーもーうるせぇな。


って…え?

今、俺の名前読んでたよな?

知り合いっ!?

やっと顔を女に向ける。

「あ、やっとこっち見たー」

やっぱり知らない。

誰、この女。

「あんた誰」

「きゃ♪声もカッコイイ♪」

この女…言葉が通じてねぇな。

「何で俺の名前知ってんの」

「あたしアヤ!片仮名なの!よろしくね誠也」

…やっぱり通じてねぇな。

「お前の名前なんか聞いてねぇよ。質問に答えろ」

「あれ?アヤって聞いても思い出せない?」

だから知らないし。

マジで誰だよ、あんた。

アヤって女はニッコリした。

「澤野アヤ」

澤野………?

「……………ッ!ア…ヤ…!?」

「あ、やっと思い出したな、こいつー」

澤野アヤ。

さ・わ・の…………。

過去が蘇る。

『誠也ーっ』

あの笑顔が浮かぶ。

『ちゃららちゃっちゃらーん!プレゼント〜!』

首に付けてるペンダントが揺れる。

アヤは寂しそうに笑った。

「まだ、気にしてんの?あの事…」

「あれは全部…俺の責任だし…な」

「やっと皆に優しくなれたんだね」

「まあ…な」

「あの事の後、誠也かなり怖かったよ?」
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