たった一人の親友へ〜another story〜
「ごめんね。翔
こんなつもりじゃなかったの。
困らせたくなんてなかったのに。
もう大丈夫だから。」


無理矢理笑うゆいを見て心が痛んだ


結局俺はゆいを傷つけてしまっただけだ


本当はどこかで分かってた


いつも都合のいい理由をつけて


本当の気持ちから逃げてたこと


分かってたのに


俺はそこから動けなかった


何かを失うことが怖くて






さなを失うことが怖くて






「家まで送るよ」


そう言ってゆいと俺は無言で彼女の家まで歩いた


「ここでいいよ。
今までありがとね、翔」


「こちらこそ。」


「じゃぁね。
バイバイ。
また学校で」




背を向けるゆい


別れ


こんな日が来るなんて正直思ってもいなかった


でも、もう自分を誤魔化すことはやめたんだ


今まで本当にありがとな、ゆい


本当に本当に


ありがとう



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