たった一人の親友へ〜another story〜
それから一週間


さなの涙について、誰も触れることのできないまま


ただただ一週間が過ぎた


さなは以前と何も変わった様子はなかったし


無理矢理聞いて


彼女を泣かせることだけは避けたかった




いつものように四人で昼飯を食べていた時


その日のさなは朝から明らかに様子がおかしくて


何か言いたげにしていることが一目瞭然だった


「さな、どうかした?」


するとさなは肩をびくっと震わせ


俺を見つめ


何かを決心したように口を開いた


「あたし…みんなに聞いてもらいたいことがある」
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