たった一人の親友へ〜another story〜
家を出てとにかくさなの家まで走った


息を切らしながらチャイムを鳴らす


応答はない


それから二三度鳴らしたけど反応はなくて


病院


中学


公園


思い当たるところはすべて探し回った


でもどこにもいなくて


携帯を鳴らしても出ない彼女に不安を抱えながら


最後に思い当たる場所へと向かった




歩くと片道一時間程かかる道のり


気づけば無我夢中にその場所を目指していた




真っ暗な空に無数の星が舞う


波の音が聞こえる


まだ肌寒いその場所は


あまりにも広くて


あまりにも静かで




その中にぽつんとたたずむ陰が見えた時は


心の底から安心したんだ
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