ひまわりハウス


「天音、こっちに」


ばぁばに呼ばれてあたしは別の部屋へと入る。


「どうしたの?ばぁば」


真剣な瞳を向けるばぁばに心臓の鼓動が早くなる。


「天音…天音はもう高校生で、このひまわりハウスに来る愛を知らない子供達を沢山愛してあげられる優しい子だわ…」


ばぁばの言葉の真意が分からずあたしは首を傾げる。


「あなたの両親がどうして死んだか…忘れてはいないわよね?」

「…ばぁば…どうしたの突然…。あたしは忘れた事なんか無い。ずっとずっと…忘れる事なんて…」


出来る筈が無いんだもの…


俯くあたしの頭をばぁばは優しく撫でる。


「忘れなくていい…でもね、天音。これだけは覚えておいて…」


ばぁばはそのままあたしを抱きしめた。


「その怒りも恨みも…捨てろとは言わないわ。ただ、向ける相手を間違えてはいけないよ」

「ばぁば……」


ばぁばが何故そんな事を言うのか分からない。
だからただ頷く事しか出来なかった。








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