あいつの青春
俺は普通に授業を受けていた。
(早くおわんねーかな…
みなかのとこ早く行きてーのに―…)
ボーッとしながらそんなことを考えていると…
「この問題を…
でわ…山原君、といてください。」
数学教師の識田<シキダ>が寝ている翔汰の名前を呼んだ。
「…はぁ、大人気ねぇなぁ…
翔汰、問題解けってさ。起きろ。」
「ん―…?問題…?」
一応翔汰を起こしてみると、意外にもすぐに起きた。
翔汰は、ムクリと席を立ち黒板の方に歩いていった。
チョークを持って、いつも通りスラスラ書き始める。