あいつの青春


キーンコーン―…




「じ、じゃあ、数学はここまで!
ありがとう…ございました!」


識田はそう言うと足早に教室を出て行った。




「翔汰に言われたのが
そーんなに悔しかったんだ…」


チャイムと同時に起きてあくびをしている翔汰に言う。



「………?

俺は事実を言っただけだろうが。」


「ハハッ!そーだなっ!
つーか早くみなかのとこに行こう!」


「チッ―…
しゃーなし―…。」




俺は翔汰の腕を引っ張って、一年の階へ急いで走った。


教室を出て行くとき、


「しょーたくん!
ヒロ!どこいく―…

っておい!」


って言う、麻城の声が聞こえた気がしたけど
スルーした。











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