ガラスのタンポポ#虹
「これね、“彼との絆を深めたい”って意味のパワーストーンなの。奏来ちゃんが聖ちゃんさんと幸せに子供を迎えられますように、の、お守り。指輪は…指輪はもうちょっと待って、って伝えて?」


「花音…」


「あたしにできるのは、ここまで。あとは…あとは翔くんが道を選んで、ね?」


「ごめんな、花音」


「謝るのは翔くんがあたしと同じ道を辿れなくなった日に聞くね?だから、今はお預け」


そう言って笑う花音を残し、オレは家を出た。


強い奏来、強い花音。


だらしないのは。


オレだけ。


捨てた。


そんな言葉で片付けずオレはもがこう。


どんなにかっこ悪くても死に物狂いでもがいて。


決して後悔だけは残さないように。


花音の押してくれた言葉のために。


奏来と、奏来とオレの子供のために。
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