悲しき 極道

教護院

…ワシの進路が決まった。


行き先を分けると、

シセツ
(親のおらん子とか
 更正が早そうな子)

教護院
(主に更正は遅く、
 問題児など…)

自宅
(家族や周りの支えがあり、
 更正し易い子…)



ワシは、教護院に決まった…


無理もないわな。

2年も家出して、
タバコは吸うとるし
バイク乗るし…



どないして移動したかは
覚えてないけど、
兵庫県垂水区にある

 『若草学園』

に、入園した。


ここは、
広い敷地に
住まいと学校施設がすべてあった。


男子寮が4寮。
女子寮が3寮。
小学生寮が1寮の、
計8寮があった。

名前はすべて、神戸の地名やった。

子供の刑務所みたいなもんやな…



ワシは小学生の、
舞子寮に入った。

他の生徒はプールに行ってた。



これから訪れる、
未知なる生活と
山の中にある施設で、
不安だらけやった…


その足でプールに連れて行かれた。

みんな、新入生のワシを見とる…

野生の目をしとったな。



ワシは3日間、泣き続けた…

…帰りたいと…



結局帰られへん事が分かった…


いつの間にか、
自然ととけ込んでた。


ここの生活は、

朝は7時に起床して、
廊下に並んで点呼とる。

布団畳んで、
かくち決められた掃除をする。

7時半には飯が食べれる様に。

9時から学校やさかいな。

学校で二時間勉強したら、
また寮に帰って昼飯や。

1時半から昼の授業。

勉強は4時間と5時間の日があった。

学校が終わると5時まで自由や。

その後、
掃除して飯喰うて風呂入る。


9時には消灯で1日が終わりですわ。


まさしく、子供達の刑務所やな…



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