悲しき 極道

ワシは必死で泳いだ。

潮水の呑みながら、
死にそぉになりながら
泳いだ。


涙が出るし、シンドイし…

みんなより遅れとる。



やっと足の届く所についた!

ワシはヘロヘロになりながら、
砂浜までたどり着いた…



…思い起こしたら、
一年前まで泳げず
泣いてたワシやった…


それが、海を1キロも泳げるとはな!


…自分によいしれとるのに、

 「え〜そしたら〜
  恒例〜第二弾!
  あの岩から飛び込み―…」

とか、抜かしとる。


 「聞いてないしッ!!」


岩見たら、
10メートルはある…

…怖すぎるがな…



中学生が
バンバン飛び込んどる。
男子も女子も。


そんなん見てる間に、
小学生の順番がすぐにきた。

そこは可愛い小学生やからな。
親切な中学生は…

 「一番上からいけ〜!」

と、叫んどる…


…コイツら、
ロクな大人にならへんわ!


ワシもなんとか、
時間はかかってもたけど
飛び込めた。

一回やったら、楽勝やな。

その日ワシらは、
何回も飛び込んで遊んだ。

夏のええ思い出になったわ。


楽しい事は、
すぐに終わるもんやな…

また学園が始まったけど、
旅行中に原野君って言う、
中学生と仲良くなって
よぉ、鷹取寮まで
遊びに行く事なった。


そこでワシは、
違反をする事になる…
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