君と恋に落ちて
そして智裕さんは私が持っていた鍋を取り上げた。
「もう食べられへんのやろ?」
「あ、いや、その…」
別に食べられない訳じゃなくて、さっきまで重苦しい雰囲気やったからだけやってんけど…まぁ良いか。
「ちょっと熱計ろうか」
そう言って智裕さんは近くにあった体温計を取った。
そのまま私に手渡してくれたので、私は体温計を脇にはさんだ。
ピピピ…
1分もしないうちに体温計の音が鳴った。
「貸して?」
私は脇から出して直接体温計を智裕さんに渡した。