恋歌 〜secret love〜
「頼城先生がどーして奏に関係あるのよ」


「英語のテスト返却の時。
テストを受け取る瞬間とその後の奏の目が、頼城に恋して、で、それを諦めようって決心してるように見えた。

ちなみに勇人君の観察によると、頼城もちょっと奏のことを気になってるっぽい」


「頼城先生も奏が好きってこと!?」


「そーではない、かな。
何か無意識に気にしちゃってる感じ?
ま、俺の勘だけど」



……こいつ、何者!?


まさか、勇人の観察がここまで進んでるとは思ってなかった。



奏が頼城先生を……なんて気付いてもいなかった。



でも経験上、勇人の勘はものすごーく当たる。



だからあたしは、戸惑う気持ちを鎮めて言った。



「とりあえず、奏が自分から口に出すまで黙ってよ?」


「おっけー!てか、俺もそうするつもりだったし。
ま、頼城はフリーらしいし、良いんじゃない?」



笑いながらさらっと放たれた言葉に少し驚く。



「何で勇人がそんなこと知ってるのよ」


「いやー、頼城も俺も音楽部だから。
部活の時にみんなが質問してるのを聞いたってわけ。

女子も男子もさ、背は低いけど、顔は割りと格好良いし、丁寧な言葉遣いと優しさがツボなんだと。

いつもスーツが黒いとか、何げにブランド品持ってるとことかも格好良いって。
授業もわかりやすいし、人気だよー」



「なるほどねぇ」



勇人の発言には納得だ。


確かに、頼城先生の評判はクラスでも高い。
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