恋歌 〜secret love〜
そこまで言うと、頼城先生は視線をまっすぐあたしに向けた。


堂々と先生を観察できる状況に、思わずどきっ、とする。



先生の車で送ってもらった時以来かな―――



あの時に見つけた

思ってたよりも高い鼻が格好良いところ……とか

はっきりしていて綺麗な、二重のライン……とか



一瞬のうちに、飛び込んできたどきどきの原因をここまで分析するあたしって…………


これも、片想い効果の1つなのかな――――



「大学の選び方。俺のが参考になるかはわからないけど……。
少しはスムーズに考えられそうになったか?」



ぼけっ、とするあたしに、先生が当たり前のように言う。



そう言えば、今は進路について相談してたんだっけ。



すぐに脇道にそれる自分の思考回路にムチを打ちながら

あたしは頼城先生を見た。
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