恋歌 〜secret love〜
◇seven point five melody

┗秘めていた過去


奏と会ってから、何日か経った日の夜。



インターネットで気になったサイトを見ていると、いきなり手元でケータイが震えた。



ちらっと視線を送ると、青く光るライトが見える。


買った時から全く触ってない設定。


震えはなかなか止まらない。



……電話だな。



パソコンに向けていた体をずらして、俺はケータイを耳に当てた。



「どうしたんだ?こんな時間に。今日は学校でも会っただろうが」


『ちょっと、言い忘れたことがあったんだよ』


「それでわざわざ電話か? お前、よっぽど俺が好きなんだな」


『気持ち悪いこと言うなよ。淋しい隆夢ちゃんとは違って、俺には可愛い彩乃がいるんですー』



不機嫌を装った声色の勇人が、何だか妙に憎たらしい。



「一言多いんだよ、勇人は。で、言い忘れたことって何だ?」



高校生相手に大人気なかったか?


少し苦い気分を拭いきれないまま、勇人の言葉を待った。


< 203 / 339 >

この作品をシェア

pagetop