恋歌 〜secret love〜
◆nineth melody

┣恐怖の中間発表会


「おはよう、奏!」


「おはよう」


「いよいよ……だね」


「うん。……やっぱり、ちょっとどきどきするかも」



苦笑いしながらそう言うと、彩乃は「まあね」と、軽く答えた。




寒さで動きが鈍くなった手で、ゆっくりと靴を下駄箱に入れる。



少し見上げた位置にある彩乃の顔は、いつも通り綺麗で……


だけど、やっぱりどこか、表情がかたい気がした。



「会場ではお昼ご飯の時しか会ってなかったもんねー。何か、こうやって彩乃と話してるのが不思議な感じだよ」


「確かに。でもまぁ、一段落……って感じよね? センターが終わると」


「うん。本当に」




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