恋歌 〜secret love〜
 

そう。

勇人からは、あたしがメールを送った後に2通のメールが来ていた。



1つは、飲み物を持ってくるなって謎の命令。


もう1つは、件名に“勇人君の頼城ちゃん's好物調査報告書”と書かれたものだった。



それを見たあたしは、奏にスパルタ指導をしながら、からあげを最初から最後まで奏自身に作らせた。



あと、もう1つも……。



「そろそろ行くかぁー。頼城ちゃんが本気で奏に手ぇ出しても困るしー?」


冗談を言って笑いながら先に歩き出した勇人を少し小走りで追い掛けて

あたし達は校舎へ入った。



「驚かせたいからあんまり音を立てないで行こう」なんて勇人の提案で、誰もいない階段を静かにのぼる。



そして、音楽室のドアを一気にガラッと開けたあたし達は、目の前の光景に固まった。


< 74 / 339 >

この作品をシェア

pagetop