恋歌 〜secret love〜
 

一昨日家に送ってもらってから、自転車を学校に置いてきちゃったことに気付いたあたし。



駅までは歩きだけど、駅から学校までは、歩くとちょっと時間がかかる。



そう思って、何気なく「あしたは歩かなきゃ」と呟いたのを聞いた頼城先生が

「だったら送ってやる」と言ってくれた。



初めは、先生に迷惑をかけるのが申し訳なくて断った。



だけど、何だかんだで誘惑に負けて……



しかも、仕事がある先生に合わせると少し学校には早く着きすぎるんだけど……



それでも、震える手で連絡先を交換し合って、今に至る。




「奏は、文化祭のクラス企画で何やるんだ?」


あたしは、まっすぐ前を見て運転する先生の横顔を見ながら答えた。


 


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