One STEP
「か・す・み・ちゃーん」
ん?
あたしはもう一度、窓から身を乗り出す。
声がしたのは、下一階から。
「やっほ!」
「げ…」
藤田先輩だった。
何やら大きな荷物を両手いっぱいに抱えている。
白雪姫で使った道具かな?
ってか普通に1人で持てる荷物じゃないと思う。
「げ、ってなんだよ!」
「い、いえ!なんでもないですよ」
あたしは必死で口を隠す。
「言ってみろ!」
そう言った瞬間、両手に抱えていたダンボールなどが音をたてて落ちた。
あーららら…。