One STEP

あたしの声





ズリズリズリズリ―――――




あたしは無理やり先輩に引っ張られていた。


いや、むしろ引きずられていたと言ったほうが正しいだろう。



「あのぅ…あたし、帰りたいんですけど…」



さっきから、ずっとそう言っているのに。


言っているのに…!!



「少しだから、ね?」



返ってくる返事は、毎回これ。


全く聞き耳を持たず。



少しとかそういう問題じゃなくてね?!



中学では帰宅部。


あたしは帰宅部の部長、と言われるほど帰るのが早いことで有名だった。



そんなあたしが高校で部活?


絶対無理だと思う。
笑わせないでくれ。


まず先輩たちとの付き合いの仕方が分からない。


部活に入っていないと、関わる機会がなさすぎる。



敬語で話すくらいなら大丈夫だけど、それ以上となると…






< 23 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop