One STEP



瞬間、ガバっと抱きつかれた。



「へ?!」



ビックリして目を見開くあたし。


抱きついていたのは夏沙先輩。



「やーっぱりかすみんの声好きぃー♪」



え…?


あたしは夏沙先輩に抱きつかれたまま固まった。



そんなあたしに、先輩たちは口々に言う。



「うんうん。確かにいいね~」



「俺も同感」



え、え…?



「いいよ香澄ちゃん!!名前通り澄んでいる声だ!!」



どこかで聞いたことのある言葉を言ったのは、言うまでもない慎也先輩。


なぜそこで泣きマネをするんだ…?



みんながあたしの声をいいと言う。


それだけなのに、なんだか可愛いと言われるよりも嬉しいのはなんで?


< 271 / 528 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop