One STEP



それにしても楽しそうな夏沙先輩。


やっぱりどうしても先輩とは思えないところがある。



「荒木もやる?」



ニヤリと笑った柳沢先輩に、思わずひぃっと情けない声が飛び出そうになった。


ニヤリと笑ったその顔がなんとも言えない見たことのない表情だったものだから、慌てて一歩後退した。



「い…いいい、いえ!結構です!!」



ブンブンブンブンもげそうなくらい首と手を振った。



絶対鼻に入る。


あのツーンとするのがとてつもなく嫌だ。



柳沢先輩は気味の悪い笑みを顔面に貼り付けたまま、



「そう?残念」



そう言ってあたしを投げることを諦めると、再び夏沙先輩を投げた。



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