One STEP



ってかラブストーリーって…!!



あたし自身、慎也先輩が好きと気づいてしまった今。


慎也先輩相手に演技なんてできるのか心配だ。



〝好きだ〟なんて言われたら鼻血を出して失神してしまうかもしれない。


逆に〝好き〟なんて、言えない。



弥生先輩はどんどん話を進めていく。


あたしはまったく頭に入ってこなかった。



――――――――――――――――
――――――――――
――――――…



結局何を言っているのか聞き取れなかった。



あたしは部屋に引きこもり、机に突っ伏していた。


唸り声がやけに部屋に響く。



夕食のときあたしは何も悟られないように頑張っていたが、きっとバレバレだったと思う。


けどお母さんとお姉ちゃんは何も言わなかった。



ちょっとした優しさってやつ?


聞かないでくれて本当良かった。



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