One STEP
「あーもうっ!!人ばっかし!!出遅れた!!」
「確かに出遅れたかも」
「前の方探すよ!!」
琴子はちょっとお怒り気味。
どうしてもベストポジションを取りたいみたい。
あたしは見えればどこでもいいんだけどな…。
今更ベストポジションなんて残っていないだろう。
なんて思っているのはあたしだけのようで。
ズリズリズリズリ引っ張られ中。
力が半端ない。
怒っているせいか、掴まれている腕が痛い。
抵抗しても振り払うことができないと思ったから、あたしは引っ張られるだけ。