*おベンキョの時間*
将来有望か……ーー



俺の親父だとずっと思っていた男が実は俺の親父ではなかった。



俺はそのコトを…初めて…葬式の終った晩に母さんから告げられる。



俺は母さんの連れ子で…本当の親父は俺を妊娠中に姿を消したらしい。
俺のホンモノの親父は顔だけの男だと言っていた。


あなたを見ていたら…想い出す……



私を捨てた…男のコトを…




そう恨めしそうに母さんは俺に呟いた。


俺が悪戯されそうになっても…誘拐されそうになっても…
二人はあまり…弟や妹のように親身に俺を心配していなかった。



親父だと思ってた男は…実の子供と同じように育ててくれていたが…俺自身…
愛情の差を…何処かで気づいていた。
















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