アイシング、マイラブソング
「ゆ、う…」




たまらず千架をぎゅっと抱き締めた。




「行かないで」




ワガママ、

一生のお願い、

どう捉えてもらってもいい。




「行くな…!」




「悠…」




自分の胸の、いや魂の叫びに近い。


千架の涙声は少し震えてた。




「悠…もう電車が…」




「離さない」




「あたしコレに乗るって決めたの」




「絶対離さない」




「悠…!!」




腕の中の千架がもぞもぞと動く。


そんなこと構わない。


腕を緩めることができなかった。




「悠…気持ちは同じだよ…!!」




千架の手が

僕の背に回った。




ガコンガコン


ガコン


ガコン…




千架の乗る列車の扉がプシューと開いた―…。
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