アイシング、マイラブソング

【4―2】イベント

秋が深まると共に、

僕らの仲も順調に進んでいった。

良く一緒に帰るし、
週末はいろんなところに遊びに行く。


『千架』・『悠』と呼び合うことに慣れた頃、

街はジングルベルの曲で溢れるようになった。


気づけば12月。


もうすぐクリスマスだった。


人生初の、
彼女がいる状態でのクリスマス。

千架の誕生日は5月だし、まさに『イベント』自体が人生初。



「え?俺に聞くなよ!」



何をあげたらいいか解らず、参考までにと昼休みに祥に尋ねたのだが…

あっさりハネられた。


「俺にくれるの?なら欲しいゲームソフトあるけど」


―コイツ…!


祥はイヤガラセが上手い。

自慢にはならないだろうけど、案外ヤツの財産かもしれない。


「はいはい、祥に聞いてスイマセンでした。」

「そういうのは本人に聞けよ」

「聞いちゃったら千架はツマラナイじゃん。サプライズだよ」


「『え~、何コレ~!いらな~い!』みたいなサプライズ?」


「『や~ん、ウレシイ!感動!』の方」


「まぁ女なんて、高けりゃいーんじゃない?」


「千架はそういうタイプじゃねえよ!」


大事な彼女がそんな風に言われ、黙ってられない。

そこはキッチリ反論した。
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