不器用な君と不機嫌な私

傷つきたくない



夢中になって


用具室から飛び出して。



そのあとは、行くあてもなく
ただ校舎から出て行った。



ようこそと飾り付けられたアーチをくぐって、

たくさんのお客さんが
文化祭にやってくるのが見えて


ふと我に帰った。



受付の仕事、やらなきゃ



でも、無理だよ


今教室に戻っても


仲本の顔も、郁の目も

先生の姿も


見ることなんてできない


どうしてこんなことになったのかな


いつから?
そんな質問はおかしいかも。


だって、ずっとずっと前から


続いていることだもの。



それに私が片足を間違えて踏み入れてしまっただけ。


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