不器用な君と不機嫌な私

気持ちの、名前


仲本にバカなことを言ってしまったあの日、


職員室に清書し終わった書類を提出しに行くと

そこには職員会議を終えたのか

広瀬先生がまだ残っていた。


「あの」


「お、藤原!
おつかれ!
ありがとな。」


「いえ…」


「あー、いま帰り?」


「え、はい」


「よし、じゃあ俺も出るか。」


そう言って財布を手に取り席を立つ先生。


先生は仕草一つ一つが男らしい。

なんていうか…先生じゃなくて、お兄さんって言うのかな。

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