君と私の物語 【短編集】

カーテン

ガシャン!

という何かを落とした音と共に

「あっ!!」

という燐の声が聞こえてくる

「どうしたんや!?」

急いで燐の所へ行くと

へなへなと床に座り込んだ燐と

黒くしみの付いたカーテンと

床に散らばったカップの破片があった

「何があったんや?」

大体の予想は付く質問をしてみる

「コーヒーを洸と一緒に飲もぉ思ぉて

 コーヒー淹れて行こぉ思ったら何かにつまづいて

 気づいたらカーテンとコップが...」

返答は思った通りやったけど

明らかに燐の様子がおかしい

今までにこんな事はよくあったんやけど

焦りながらも片付けていた

でも今回はすごく悲しんでいるというか

落ち込んでるというか...

「こんなんいつもの事やないか」

なんて元気を出させるため

あえてケンカ越しで言ってみるが

「今回はちゃうねん...」

もっと落ち込ましてもぉた...

「何がちゃうねや?」

今回は本当に何でかわからへん

「カーテン...」

「カーテン?」

「カーテン...

 洸と一緒に選んだ

 お気に入りの緑のカーテンを

 汚してもぉたぁ...」

と少し涙で目を潤ませ

黒いしみの付いたカーテンを見つめる

「ハハッ」

とそんな事かと笑ってしまう

やけど『洸と一緒に選んだ』というトコが

嬉しくてそんな笑いも含まれているが

そんな事は知らないと

燐は俺を睨みつける

まぁ涙目で睨まれても

恐くも痒くもないんだけど...いや

「可愛いな」

「今はそんな事じゃない!」

「え?何で俺の思ってる事わかったの?

 まさか心がよめ「声に出てた」

そういう事か

まぁ本題に戻って

「カーテンは一緒に買いに行こ?

 新しい緑のカーテンや」

そう微笑んで

燐の頭をあやすように撫でたら

「うんっ!」

と少し頬を赤らめながら

元気に返事をする燐を

やっぱり可愛いと思う 



***カーテン***


2011/08/09
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